「それではゆくとしましょう」
船頭は元気な声で乗客にそう言って水底に棒を押しこみ、舟を進めはじめました。
舟の先頭には黒くて若いネコがいました。
ネコは船頭が舟を出そうとするとそれを見計らっていつも無賃乗船してくるのでした。
船頭はそのネコが好きだったので追い払いもせずにいつも乗せてあげていました。
「やあ、ネコくん。今日もまた逢いに行くのかい?」
ネコはプイプイッっと、しっぽを振って答えるのでした。
2021年03月23日
「それではゆくとしましょう」
船頭は元気な声で乗客にそう言って水底に棒を押しこみ、舟を進めはじめました。
舟の先頭には黒くて若いネコがいました。
ネコは船頭が舟を出そうとするとそれを見計らっていつも無賃乗船してくるのでした。
船頭はそのネコが好きだったので追い払いもせずにいつも乗せてあげていました。
「やあ、ネコくん。今日もまた逢いに行くのかい?」
ネコはプイプイッっと、しっぽを振って答えるのでした。