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2021年12月21日  最終更新日:2022年01月13日

2022 チャリティーカレンダーのお知らせ

2021年も皆様本当にお疲れ様でした

昨年に引き続き世間的にどうにも半端な年だった2021年。
個人的には色々ありすぎて大変濃い1年となりましたが皆さんはいかがだったでしょうか。
気がつくとこれを書いている今日時点でもう残り日数は10日になりました。

今年も頑張って作りました

と、もう師走も真っ只中の真っ只中ですが今年もチャリティカレンダーを作りました。

本音をいうと何度も何度も「今年は諦めようか…」と思ってしまうほど難産だったんですが、なんとか年が明ける前に完成させることができました(^_^;)

テーマは昨年に引き続き

今年も宮沢賢治のお話に絵をつけました。 続きを読む

2020年11月20日  最終更新日:2020年12月07日

銀河鉄道の夜(お話イラスト)

(引用)ごとごとごとごと汽車はきらびやかな燐光の川の岸を進みました。

向うの方の窓を見ると、野原はまるで幻燈のようでした。

百も千もの大小さまざまの三角標、その大きなものの上には赤い点点をうった測量旗も見え、野原のはてはそれらがいちめん、たくさんたくさん集ってぼおっと青白い霧のよう、そこからかまたはもっと向うからかときどきさまざまの形のぼんやりした狼煙のようなものが、かわるがわるきれいな桔梗いろのそらにうちあげられるのでした。

じつにそのすきとおった奇麗な風は、ばらの匂でいっぱいでした。(引用ここまで)

言わずと知れた名作。
全編、なかなかの難易度ですがここまで人に知られているタイトルも余りありませんよね。
きっとタイトルの言葉もとてもよかったのだと思います。

この作品の中から1シーンだけ選ぶのは非常に難しいのですがやはりこの光景かなということで、描いてみました。

2020年07月29日  最終更新日:2021年04月21日

やまなし 宮沢賢治(お話イラスト)

そのとき、トブン。
黒い円い大きなものが、天井から落ちてずうっとしずんで又上へのぼって行きました。キラキラッと黄金のぶちがひかりました。

『かわせみだ』子供らの蟹は頸をすくめて云いました。
お父さんの蟹は、遠めがねのような両方の眼をあらん限り延ばして、よくよく見てから云いました。

『そうじゃない、あれはやまなしだ、流れて行くぞ、ついて行って見よう、ああいい匂いだな』
なるほど、そこらの月あかりの水の中は、やまなしのいい匂いでいっぱいでした。

三疋はぼかぼか流れて行くやまなしのあとを追いました。
その横あるきと、底の黒い三つの影法師が、合せて六つ踊るようにして、やまなしの円い影を追いました。
間もなく水はサラサラ鳴り、天井の波はいよいよ青い焰をあげ、やまなしは横になって木の枝にひっかかってとまり、その上には月光の虹がもかもか集まりました。

『どうだ、やっぱりやまなしだよ、よく熟している、いい匂いだろう。』
『おいしそうだね、お父さん』
『待て待て、もう二日ばかり待つとね、こいつは下へ沈んで来る、それからひとりでにおいしいお酒ができるから、さあ、もう帰って寝よう、おいで』

親子の蟹は三疋自分等の穴に帰って行きます。
波はいよいよ青じろい焰をゆらゆらとあげました、それは又金剛石の粉をはいているようでした。

やまなし

2020年07月01日  最終更新日:2021年03月23日

双子の星:宮沢賢治(お話イラスト)

双子の星(宮沢賢治)

双子の星

(引用)“天の川の西の岸にすぎなの胞子ほどの小さな二つの星が見えます。

あれはチュンセ童子とポウセ童子という双子のお星さまの住んでいる小さな水精のお宮です。

このすきとおる二つのお宮は、まっすぐに向かい合っています。

夜は二人とも、きっとお宮に帰って、きちんと座り、空の星めぐりの歌に合わせ、一晩銀笛を吹くのです。
それがこの双子のお星さまの役目でした。”(引用終わり)

お世話になった方にお礼として絵をお贈りしようと思って描いた作品。

以前から「目的があると描く絵の質が変わりますね」と言われる事があったのだけど、これもきっと「お贈りする」という理由の元、どこか自分の意識外で描き進められたのだと思います。
結果的にとても好きな絵になりました。

この絵から良くも悪くも色々な悩みが生まれ、同時に新しい旅が始まりました。