このたび絵本の作画を担当致しました。
「茶のゆのくに まっちゃマンのおもてなし」
という本です。
ちょうど1年前の桜の頃にお話を書かれた吉川嘉宏さんと最初のお打ち合わせがあり、それから少しの期間を挟みながらお話を重ね、次の桜の咲くこの春に無事刊行となりました。
これから桜の季節になると嬉しい気持ちで本のことを思い出すんだろうなぁと思います。
お話について
この本は「茶道」を題材にしたお話になっています。
子供の年齢設定のキャラクターたちが「お茶」を通して人を敬う心や思いやりを学んでゆくのですが、通常の絵本と少し違っている面が2点ありまして、まず1つは「教材でもある」こと。
保育園や幼稚園での「お茶」の授業にて今回の絵本を使いながら楽しく心や作法について伝えてゆきたい、という主旨が制作前から前提となっていました。
なので「茶道のお作法」についてもきちんと表現する必要性があり、絵本でありながらも写実表現が欠かせない場面がいくつかあるのであまり崩した絵には出来ない、というのも最初から決まっている事でした。
もう一つは「ゲストがいる」こと。
お話が進んでいく中で途中お客さんがやってきます。
「茶道」とはお茶を通して敬いとおもてなしの心を育み、お茶席でのひとときの出会いと別れで一期一会の大切さを知る、そういった心の「道」でもあります。
この本ではお客さん招きする中で登場人物たちが茶道の心を学んでゆくのですが、今回のお客さまは京都は宇治市のご当地キャラ「おうじちゃま」なのでした。
おうじちゃま公式サイト
宇治の方では日々公務に励まれ大活躍されていて、SNSなども活発に発信されていますので是非ご覧ください^^
ということでこの本は
「教材でもある」
「おうじちゃまとのコラボレーション」
という通常の絵本とは少し違っている顔を持っているのですが、どちらの主旨も最大限尊重しながらお話や絵を作っていくこととなりました。
手前味噌ではありますが、最終的にはよく纏まったと思うのでぜひ書店で手に取ってやってくださいm(_ _)m
キャラクター
この投稿ではお話については詳しく書きませんが、せっかくなので今回は本には含まれなかったキャラクターの一面をご紹介したいと思います。
まっちゃマン
この本の主人公です。
抹茶をいれる「なつめ」がモチーフになっています。
お茶の時間では頭の中からまっちゃを取り出してお茶を点てます。
その時に使う茶杓をいつも携帯しています^^
ちゃせんちゃん
お茶を点てる「茶筅」の化身です。
今回はそのシーンはえがけませんでしたが、お茶を点てるときは縮小して実際に茶筅として活躍してくれます。
ちゃわわん
お茶碗の化身です。
ちゃせんちゃん同様にお茶を点てるときは縮小してお客様にお出しするお茶碗に変身します。
ちゃっぱたい
おうじちゃまの住むチャチャ王国からの使者です。
夏が近づくとまっちゃマンたちが住む「茶のゆのくに」にやってきます。
今回はおうじちゃまが誕生したことをまっちゃマンたちに知らせてくれたことで、まっちゃマンたちはおうじちゃまをお招きすることを思いつきました。
オチャスキーさん
この国で一番のものしり老人。
まっちゃマンたちにお茶の心をやさしく説いてくれました。
お帽子は茶釜がモチーフです^^
他にも出演予定のキャラクターがいたのですが、お話を作ってゆく中で今回は登場しなくなったりもありました。
いつか?もし続編が出た時にはきっと出演してくれるんじゃないかなぁ〜と思っています^^
改めまして
絵本は、画業を志す中での大きな目標のひとつでしたので今回のお仕事が出来た事はとても有り難く思っています。
まっちゃマンに限らず、絵本の世界にまた次のご縁があるよう今後も精進したいと思います。
なお、YouTubeではもう少し詳しく話すかも?なのでよければ聞いてください^^
以上、今回は絵本のご紹介でした!
最後に改めて関係者の皆さんにお礼を申し上げたいと思います。
貴重な経験をありがとうございました!
「茶のゆのくに ~まっちゃマンのおもてなし~」
発売日 2023年3月1日(水)
販売価格 1,650円(税込)
※B5判/上製 32頁/オールカラー
監修 伊住宗陽氏(裏千家)
原作 吉川嘉宏氏(茶美会文化研究所/保育士)
作画 吉田ユウスケ(イラストレーター)
発行者 伊住公一朗氏
発行所 株式会社淡交社
編集・ブックデザイン 株式会社どりむ社
イラスト協力(P30-31) 井上るりこ氏(イラストレーター)
協力 宇治商工会議所・公益社団法人 京都府茶業会議所