(引用)ごとごとごとごと汽車はきらびやかな燐光の川の岸を進みました。
向うの方の窓を見ると、野原はまるで幻燈のようでした。
百も千もの大小さまざまの三角標、その大きなものの上には赤い点点をうった測量旗も見え、野原のはてはそれらがいちめん、たくさんたくさん集ってぼおっと青白い霧のよう、そこからかまたはもっと向うからかときどきさまざまの形のぼんやりした狼煙のようなものが、かわるがわるきれいな桔梗いろのそらにうちあげられるのでした。
じつにそのすきとおった奇麗な風は、ばらの匂でいっぱいでした。(引用ここまで)
言わずと知れた名作。
全編、なかなかの難易度ですがここまで人に知られているタイトルも余りありませんよね。
きっとタイトルの言葉もとてもよかったのだと思います。
この作品の中から1シーンだけ選ぶのは非常に難しいのですがやはりこの光景かなということで、描いてみました。