2019年04月15日  最終更新日:2019年07月09日

桜Exhibitionにイラストを出展しました


東京は九段下、そして京都はみやこめっせ「artDive」内にて展開されていた公募展「桜Exhibition」にイラストを一点出展しておりました。

桜Exhibitionとは

“日本のイラストレーションの魅力を桜と同じように世界に知ってもらおう”
との趣旨で2009年よりスタートした公募展企画です。

ということで、桜をモチーフとした絵の公募展なのですが、これまでの歴史や活動内容は公式サイトに譲ります。

今回は10周年

早いもので「桜Exhibition」は今回で10周年。
途中から今年までお休みされていたので第10回という訳ではないのですが、ちょうど自分が絵描きを志した頃に始まったのと、自身にとっては唯一出していた公募展だったのとで色々と思い入れと思い出があります。

第2回から出展してその後5回連続で出していましたので今回で6回目になります。
この機会に過去の絵をまとめてみよ〜と思ってひっくり返してみましたが3回目の絵なんかは完全に忘れていました…(^_^;)

せっかくなので並べてみます。
初期(2010年)の頃はまだガールズイラストを志していたので今とは全く毛色が違いますね。
違いすぎて我ながらなかなかびっくりしますね…(苦笑)。

桜Exhibition 「桜嵐」

桜Exhibition 「桜嵐」

桜Exhibition「ねがい」

桜Exhibition「ねがい」

桜Exhibition「サワカイShining」

桜Exhibition「サワカイShining」

桜Exhibition「hello to the world」

桜Exhibition「hello to the world」

桜Exhibition「おもちゃばこ」

桜Exhibition「おもちゃばこ」



大切なのが4枚目の「hello to the world」でして。
これが桜Exhibitionで初めて賞を頂けたのですが、その頃は絵にまつわる事が色々ともうドン底もドン底で、描くべきものも見えないし先も見えない。何をどうしたらいいのか分からない。

「この絵が認められなかったら絵の道はもう諦めてもいいかな…」と思っていたくらいだったので賞を頂けたことは本当に勇気をもらえました。

おかげでその後も絵を描き続けられて現在に至るのですが、そういった意味で今を形作る重要な絵の1つ。
その賞状は今も大切に仕事部屋に飾っています。

そして今回の絵はというと…

そんな思い出深い「桜Exhibition」。
前述のように今年は10周年ということで復活されたので久々に出展することにした訳ですが、イレギュラーなお仕事が複数発生したのと、スケジュールを読み違えて制作時間がごくわずかしか無い事態に…(;´Д`)

適当な絵を出すのだけは絶対に嫌なので一時は出展自体もやめようかとも思いましたが、締め切りがちょっとだけ延びたりする超ラッキーが発生したりしてまず「出す事」は出来るようになり、改めて机に向かったはいいものの「じゃあ何を描こうか…?」でまた大きくつまづくことに…(苦笑)。

以下が今回の絵の変遷です。

僕はオリジナル絵に於いては必ず何かしらのストーリー性や、登場している者の間に相互の関係性を含ませたいと思っているので、いくら綺麗でも細かくても豪華でも「構成」がつまらない絵は極力描かないようにしているのですが、今回はなかなかアイデアが出てこなくて久々にうんうん唸りました…(;´Д`)

それと、A3タテの画角ですね。
もう6回も出してるのに毎回忘れてしまいますがこの画角は本当にやりづらい(苦笑)!!
しかも「桜」という大テーマがあるのでもう色々と鎖だらけです、個人的に(^_^;)

そんなこんなで最初は「土手と夜桜」のテーマで描き始めましたがどうも出来上がりが見えてこない…という事で割と早めに見切りをつけ、次はありきたりな木のイラストを「タッチの工夫」でなんとか仕上げてみようと思ったものの、どうにも「ストーリー性」が含められない…

結構粘ったけど途中でこれもまた放り投げ、次は開き直りすぎて桜というテーマすらも放り投げにかかり(笑)なおかつなぜか新春の香りすら漂わせ始めています。
桜は一体何処へ…

しかしこの時点で後ろの雲からくるインスピレーションは何故か信じれていたのでこの方向性で引き続き考えてると、左下の鳥の部分に「三脚立てて絵を描いている動物」が降りて来て、「あー!絵を描く設定ならなんとでもなるわー」ということで絵の一部に降りてきた「額縁」を画面全体に広げてこうした形になりました。

桜Exhibition「Dream-on-Dreamer」

桜Exhibition「Dream on Dreamer」

こういった、「案の可否やその選定感覚」っていうのはきっと本人だけにしか分からないと思うんですが、大抵の場合上に書いたような流れで色々考え続けて、あくまで「自分の感覚」の中で「ピンとくる」構成が見えた時にいざ描き出す、という感じです。

この絵なんかはパッと見て「あぁ、額ね。額の上で動物が絵を描いてるのね。ふーん」で終わる絵でしかないと思うんですが「ほんならこの条件の中でゼロからここまで思いついてみんかいー!」というのが作家の素直な本音です(笑)
ありきたりな設定や簡単に思いつく設定や構図から「抜け出すこと」がいかに難しいか。
呪縛みたいなものからまず最初に抜け出る事が想像以上に本当に大変なのです。

先日もTwitterで懇意にして頂いている絵描きさんとも構図のお話しやらを少しやりとりしていたのですが、一般の皆さんは普段「出来上がり」だけ見て頂いてるのでそれまでのプロセスは分からなくて当然なのですが、実際のところ(少なくとも僕は)構図や構成とそのプロセスに絵のほとんどが詰まってる感覚です。

もちろん仕上がりがいいのは何より重要ですけど、アイデアや構成力っていうのは「脳の中にある」のでこのネット時代でもなかなかパクれないものですし何より大事な能力であり武器であり財産。

今回の絵は時間さえあればもっと良く出来たと思うので心残りはありますが、たとえ出来上がった絵が凡庸なものだったとしても、そこに至るためのプロセスは間違いなく自分の絵の構成力やアイデア力を鍛えてくれているし今回もそうだったので結果として僕個人的にはとても満足しています。
誰にも分からない自分だけの満足点、というのも作家としては必要な部分でしょうし(苦笑)これはこれでいいのかなとも思っています。

凡才が絵を作る場合に必要なこと

僕はよく「自分の行動の全てに理由を説明出来るようになりなさい」と、子供達や若い人たちにいうのですが、それは先日引退されたイチロー氏からの影響もあります。
野球好きの僕はもちろんデビュー時からイチロー氏を見て、そしてその言動をつぶさに見てきましたが、いま多くの人がご存知のように彼は自分の行動の全てに理由を持っています。
理由がなく動くことは1つもないのではないかというくらい、全ての行動の理由を考えて生きている方です。

その思考には僕も大いに共感しますし、事実そのおかげで色々と得てきたこともあれば救われてきた部分もある訳ですがそれは「イラスト」も全く同じで、構成や登場する動物、色、その他諸々についても理由があるべきだと思っています。

もちろんイメージだけでガツン!と素晴らしい絵を描く作家さんもこの世にはたくさんいますが僕はそういった天才ではないし、1枚の絵の中につじつまとロジックが必要だと思ってるので構成力の鍛錬はこの先もずっと続けていくべき課題です。

余談ですが上の「Twitterで会話していた作家さん」は超売れっ子作家さんなのですが「構図をまるまるパクられた」とTwitterでお嘆きだったのでその流れでお話をしていたのでした。

その方もおっしゃってましたが「構図をパクられるのは許せない」と。
自分だけで考えたものならまだしも編集者さんとともに大きな労力をかけて作ったものだから悲しいと。

そうなんです、一般の方にはあまりピンとこないと思われるのですがこれまで書いてきたように構成・構図を考えるのはホントーーーーに大変なのです(涙)。

なので構図をそのまま盗んだりする行為は本当にやめて欲しいし、この先無くなって行くことをと心から願います。

と、ちょっと脱線してしまいましたが

そんなわけで今回は久々のイラスト出展について書いてみました。
書かないといけないblogがまだいくつもあるので今週は頑張って書くぞー!

最後に。
桜Exhibitionの運営の方々に感謝を。
今回も色々とありがとうございます。
この先もまだ巡回展が続きますが最後までどうぞ宜しくお願い致します!

追伸(19.7.9)

ポスターがネットから購入出来るようになりました^^

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